スノーボードのメンテナンス道具の中にブロンズブラシという物があります。このブロンズブラシは、汚れ取りやケバ取りに使う物ですが、本当に必要?と思われる方も少なくはないと思います。
汚れを取るといってもクリーナーを使えばいい話だし、「ブロンズブラシって必要なのかな?」と思ってしまいますよね。
筆者は以前、スノーボードショップでゴーグルやグローブ、メンテナンス用品などのアクセサリー担当として働いていた経歴があるのですが、ブロンズブラシは結構大切だと考えています。
筆者自身、スピードを出すレース等は一切やっていませんが、それでもストレスがかかるようなブレーキや、緩やかな斜面で止まってしまうなんて事は嫌ですからね。
ましてや、取れたはずの汚れやケバのせいで、時間をかけて塗ったホットワックスの効能が落ちて、滑りが悪くなるのは嫌だなと考えています。
そこで、スノーボードにブロンズブラシを使った時の汚れの取れ方、毛羽立ちの取れ方をいれつつ、ブロンズブラシがなぜ必要なのかをご紹介していきます。
良かったら参考にしてみてください。
スノーボードにブロンズブラシを使う前と後
ここでは、スノーボードにブロンズブラシを使う前と、使った後を、順を追ってご紹介していきたいと思います。
まず初めに、ブロンズブラシを使う前に、板をキレイにしておく必要があります。
言ってしまえば準備みたいな感じです。
この準備はあくまでも筆者なりのやり方なので、必要なければ飛ばしてください。
筆者は、レースなどは一切しませんし、ストレスがかからないスピードが出れば良いと考えている人です。
ですので、レースで出すような早いスピードを追い求めている方に関しては、この記事は役に立たないと思います。
この記事では、一般的なブロンズブラシを使った時の、汚れやケバの取れ方をご紹介していきます。
ブロンズブラシを使う前の準備
【・ビンディングを外してシャワーで洗う】
筆者の場合、板をキレイにする時には、まず板をシャワーでキレイに洗っています。
シーズンが終わった後のメンテナンスをする時は、やはりキレイにしたいですからね。
正直、シャワーで洗う必要性は人それぞれなので、必ずやらなくてはいけないという訳ではありません。
ただ、筆者の場合は、春のシャバ雪で滑ると板が汚れて黒くなっているので、どうしても気になってしまいます。
ちなみに、今回はこんな感じです。
かなり黒くなってしまっています。
さすがにここまで汚れてしまうとキレイにもしたくなります。
そして、板とビンディングの裏にも結構汚れが溜まっているのです。
ビンディング裏は濡れても乾きづらいので、水垢がたっぷりついています。
また、春ぐらいに滑ると土や木の葉っぱなんかも挟まっている事もあります。
今回ビンディングを外したら、この記事を書く3日前に滑りに行った時の水分が乾いていませんでした。
板からビンディングを外して、さっそくシャワーで洗浄です。
シャワーで洗う時は、表面の汚れが落ちれば良いぐらいで考えているので、手で軽く洗うぐらいにしています。
板のついでにビンディングも洗ってしまいます。
実は結構汚れていますからね。
洗い終わったら、いらないタオルで水分の拭き取りです。
板を拭いたタオルを見ると、汚れが拭き取れたのが分かります。
板を拭いたら板が完璧に乾くまで待ちます。
【・余分なワックスを剥がす】
ホットワックスをかけている人の場合、まだワックスが残っている場合があるのでスクレーパーで取り除きます。
実際にやってみると、ワックスと一緒に汚れも取れました。
スクレーパーだけではワックスと汚れは完璧に取れないので、ある程度の所でやめます。
【・仕上げのクリーナー】
スクレーパーである程度ワックスを剥がしたら、クリーナーで残りのワックスと汚れを取っていきます。
筆者の場合は、「フッ素」が入っている滑走ワックスを使っているので、「フッ素」も取り除けるクリーナーを使っています。
ちなみに、クリーナーでクリーニングする時には、普通のキッチンペーパーを使っています。
実際にクリーニングしたのがこちらです。
1拭きでこのヤバさでした。
春だと土が出ている所を知らずに滑っていたりするので恐ろしいですね・・・
この後何度か繰り返して、板をクリーニングした結果がこちらです。
【何もしていない時】
【クリーニング後】
これだけ変わりました。
あの汚れたままワックスをかけたら、全て無駄になりそうなぐらいの汚れでしたね。
クリーニング後は板の地肌が出てくるので、白い毛羽立ちなども目立ってきます。
ここまでが筆者なりの下準備になります。
文章で書くと長く感じますが、実際にやってみると、ここまでで30分ぐらいです。
ブロンズブラシをかける
スノーボードのクリーニングが終わったら、ブロンズブラシを使います。
さきほどの「準備」が終わってからワックスをかける人もいると思います。
ただ、まだ板には更に細かい汚れが付いていたり、細かいケバ立ちなどもあります。
ですので、ブロンズブラシで細かいケバを取ることによって、更にワックスが浸透しやすくなるのです。
実際にクリーニング後の筆者の板を見てみると、あまり状態が良くない事が分かると思います。
白くなっている所が、状態が悪い状態です。
このままではワックスの浸透も悪くなってしまいます。
分かりやすいように、ソールの色が付いている所をピックアップして撮影してみました。
まずは板の両端です。
かなり白くなっていますね。
次に、ソールに文字が書いてある所です。
こちらも白くなっていますね。
細かい傷もありますが、俗にいう、「ケバ立ち」、「酸化している」という状態です。
また、細かい汚れも詰まっていると思います。
この状態から、ブロンズブラシをかけます。
やり方は、両手でブラシを持ち、ノーズからテールの方向へかけていきます。
すると、細かい汚れやカスが取れてきました。
指でなぞると、指先に白い粉が付く感じです。
クリーナーを使った後にブロンズブラシをかけても、まだこれだけの汚れが出ます。
汚れやケバ立ちがある分、ワックスの浸透が悪くなって板の滑りも悪くなってしまいます。
ですので、出来るだけ滑りを良くする為に、ブロンズブラシをかける事をお勧めします。
ファイバーテックスで更にケバ取り
筆者はブロンズブラシをかけた後、更にケバ取りをするために「FIBER TEX(ファイバーテックス)」を使っています。
中には「そんなの本当に必要?」なんて思う方もいると思います。
筆者がやる理由は簡単で、「ここまでやるなら出来るだけやりたい」という気持ちからです。
ファイバーテックスは色々なメーカーから出ていますし、基本的に安いですからね。
やり方は、ブラシの裏側にファイバーテックスを巻き、両手で持ってかけていきます。
ブラシのようにノーズからテールに向けて磨くだけです。
数回繰り返すと、板の毛羽立ちがキレイになっていきます。
クリーナーをしただけの時と、ブロンズブラシ&ファイバーテックスをした後の違いがこちらです。
【クリーナー後】
【ブロンズブラシ&ファイバーテックス後】
【クリーナー後】
【ブロンズブラシ&ファイバーテックス後】
【クリーナー後】
【ブロンズブラシ&ファイバーテックス後】
これだけの違いが出ます。
数年使っている板なので、経年劣化もあって全て完璧に取り除くことは出来ませんが、個人的には充分満足です。
あの白くなっている状態から考えれば、かなりキレイになりましたからね。
1番はじめの「ビンディングを外す」工程から、ここまでにかかる時間は約1時間なので、それほど時間もかかりません。
ちなみに、ケバ取りが終わった後は、板に何も塗られていない地肌が出ている状態です。
ですので、必ずワックスをかけるようにしてください。
ワックスをかける事で、ソールの滑りの良さも長持ちしてくれます。
大切な板がキレイになっていくのを目の前で感じられますし、ワックスの浸透も良くなって滑りの良さも変わってくれるので、やっていても気分が良くなります。
なにより、キレイになった板を見ると気持ち良いです。
最後に
最後までお読み頂きありがとうございます。ワックスの浸透が良くなって、滑りの良さが変わるのはもちろん嬉しいですが、やはり見た目がキレイになるのもメリットの1つだと考えています。
クリーナーをかけた後の白いのが多く残っているより、できるだけキレイな状態でワックスをかけた方が気持ち良いですからね。
板をできるだけキレイな状態にして、滑りも見た目も気持ち良いスノーボードを楽しんでください!
この記事で、ブロンズブラシについて、お役に立てればと思います。