スケートボードトラックの違いを比較して比べてみました。
スケートボードに必要なトラックですが、色々なブランドやモデルがあり、どれにしようか迷いやすいところだと思います。
また、買い替える頻度も低いので、できるだけ比較して、自分に合うトラックを選びたいと思う人も少なくはないと思います。
そこで、3大スケートボードトラックブランドと言われている、THUNDER、VENTURE、INDEPENDENTの違いを比較しました。
筆者はスケートボード歴10年以上になり、今まで全て使ったので、感じた事も合わせて違いを比べていきます。
良かったら参考にしてください。
スケートボードトラックを比較する前に
この記事ではスケートボードトラックの色々な違いを計測して、数値をだしていきます。
ただし、1つの数値だけではなく、総合的な数値をみて参考にしてください。
ホイールベースの長さの違いがあっても、重量の違い、トラックの高さの違いなどを合わせると、また違った見方ができます。
そして、トラックを比較するにあたり、デッキとウィールは同じ物を使って比べてみました。
デッキにもホイールベースや、テールの角度の違いなどがあり、ウィールもサイズ違いがあるので、正確に比べる為です。
デッキは老舗ブランド「MINI LOGO」、ウィールは「Bones」を使い、トラックの比較をします。
【MINI LOGOデッキ】
サイズ(横幅) | 8.0インチ(約20.3cm) |
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全長(長さ) | 31.45インチ(約20.3cm) |
ホイールベース | 約35.5cm |
ノーズの長さ | 約17.5cm |
テールの長さ | 約16.5cm |
【BONESウィール】
サイズ | 52mm |
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※テールやノーズが削れている為、販売されている物とは計測値が変わります
※使用している為、少し削れています
このデッキとウィールを使い、スケートボードトラックの比較をしていきます。
スケートボードトラックの違いを比較
スケートボードトラックの違いを色々と比較していきます。
数センチ単位や、数ミリ単位で変化を感じるスケートボードトラック。
比較するのは3大スケートボードトラックブランドと言われている、THUNDER、VENTURE、INDEPENDENTになります。
そして、次のモデルを実際に比較しました。
サイズ | 147 |
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高さ | HI |
サイズ | 5.2 |
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高さ | HI |
サイズ | 139 |
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高さ | STANDARD(HI) |
※8.0インチのデッキを使っている為、合うサイズを使っています
比較した各モデルは共通して、シャフト、キングピンが空洞化され、ペースプレートも軽い、軽量化されたモデルです
この3つのスケートボードトラックを実際に使ったので、それぞれの違いを比較していきます。
ホイールベースの長さの違い
THUNDER・VENTURE・INDEPENDENTのスケートボードトラックを比較すると、ホイールベースの長さの違いがありました。
・前後ウィール間の長さの事
【ホイールベースが長い特徴】
〇左右に体重をかけた時に傾きづらくなり、ターンなどが鈍くなる
〇平らを保ちやすくて安定性がある
〇テールとの距離が近くなり、弾く時のテールヒットが遅く、ノーズの角度が上がりやすい
【ホイールベースが短い特徴】
〇左右に体重をかけた時に傾きやすくなり、ターンなどが動きやすくなる
〇傾きやすくて安定性が下がる
〇テールとの距離が遠くなり、弾く時のテールヒットが早く、軽い力で弾きやすい
各デッキにもホイールベースの違いがありますが、トラックにも違いがありました。
同じデッキに取り付け、実際に計測したのが、次のような感じです。
【INDEPENDENT】
・ホイールベースの長さ:約43.5cm
【THUNDER】
・ホイールベースの長さ:約43.8cm
【VENTURE】
・ホイールベースの長さ:約44cm
デッキのホイールベースにも関係してきますが、トラックだけでも違いがありました。
ホイールベースが長いINDEPENDENTはターンのしやすさがあり、ランプやボウルで動きやすかったです。
短いVENTUREはターンの鈍さを少し感じましたが、フラットトリックをする前や、カーブBOXに入る前の安定性の良さを感じました。
トラックの重量の違い
THUNDER・VENTURE・INDEPENDENTのトラックの重量の違いです。
・軽いと、弾いた時の反応が早く、デッキの立ち上がりが早い
・軽いと、フリップやポップなどの回転系トリックをした時に回りやすい
・重いと、弾いた時に立ち上がってきたデッキの存在感を感じやすい
・重いと、フリップやポップなどの回転系トリックをした時のキャッチで、存在感を感じやすい
重量によって、使い心地が変わってきます。
そして、実際に比較した数値がこちらになります。
【THUNDER「HOLLOW LIGHTS」147HI】
・1つの重量:299g
・2つ合計の重量:598g
【VENTURE「V-HOLLOW」5.2HI】
・1つの重量:329g
・2つ合計の重量:658g
【INDEPENDENT「FORGED HOLLOW」139 STANDARD(HI)】
・1つの重量:344g
・2つ合計の重量:688g
※使用して削れている為、重量はカリフォルニアストリートの情報を引用
ここでの表記ではINDEPENDENTが1番重いですが、色々なブランドの各モデルと比較すると、重量的には平均より少し軽いぐらいになります。
今回比較している中では、1番軽いTHUNDERと、1番重いINDEPENDENTで、2つ合計で90gの差がありました。
微妙な差ではありましたが、使い比べると違いを感じます。
軽い方が弾いた時、回転系トリックをした時に、軽い力で扱いやすかったです。
また、重い方が存在感を感じやすく、力加減によるコントロールがやりやすく感じました。
トラックの高さの違い
THUNDER・VENTURE・INDEPENDENTのトラックの高さの違いです。
高いと地面から離れますし、低いと地面から近くなります。
【高いトラックの特徴】
・力の勢いがつきやすいので、オーリーで高さを出すキッカケになりやすい
・デッキの立ち上がり角度が上がりやすいので、オーリーなどで高さが出しやすい
・高いほど左右の傾きがしやすく、ターン性が良くなる
【低いトラックの特徴】
・低いほど地面と近くなるので、軽い力で弾きやすくなる
・弾いた後の反応が早く、クイックな動きがしやすい
・車高が低くなるので、安定性が良くなる
トラックの高さが変わると、使い心地も変わってきます。
そんなトラックの高さを、実際に測って比較しました。
【THUNDER】
(画像の数値と正確な計測数値は異なります)
・デッキ上からシャフト中心:約6.4cm
・デッキ上からウィール下:約8.8cm
【VENTURE】
(画像の数値と正確な計測数値は異なります)
・デッキ上からシャフト中心:約6.6cm
・デッキ上からウィール下:約9cm
【INDEPENDENT】
(画像の数値と正確な計測数値は異なります)
・デッキ上からシャフト中心:約7.2cm
・デッキ上からウィール下:約9.6cm
1番低いTHUNDERと、1番高いINDEPENDENTを比べると、約0.8cmの違いがありました。
実際、プッシュしているだけでも違いが分かります。
弾く時の感覚も違うので、トラックの高さを変えるだけで使い心地が変わりました。
テールを踏んだ時の高さの違い
THUNDER・VENTURE・INDEPENDENTのトラックを使い、デッキのテールを踏んだ時の違いです。
ホイールベースや、トラックの高さの違いがあるので、デッキがどれぐらい立ち上がっているのか比べてみました。
また、数値で表す為、テールを踏んだ状態で、地面からノーズまでを測って比較します。
【INDEPENDENT】
・地面からノーズ:約45.6cm
【THUNDER】
・地面からノーズ:約45.4cm
【VENTURE】
・地面からノーズ:約46cm
1番ノーズが上がっていたのは、VENTUREの約46cm。
1番ノーズが下がっていたのは、THUNDERの約45.4cmでした。
このことから、テールをヒットさせた時の、デッキの立ち上がり具合の違いが分かります。
オーリーをした時の違い
THUNDER・VENTURE・INDEPENDENTのトラックで、オーリーを比較すると、少しずつ違いを感じました。
違いは、次のような感じになります。
【INDEPENDENT】
・ホイールベースが短いので、軽い力でも弾きやすい
・トラックが高めなので、高さも出しやすい
・弾いた時の反応は、THUNDERとVENTUREの中間
・THUNDERと比べると、弾いた時に立ち上がってきたデッキの存在感を感じやすい
【THUNDER】
・トラックが少し低めなうえに、ホイールベースが長くないので、軽い力で弾きやすい
・弾いた時の反応が早め
・軽量なので、弾いた時の立ち上がりが早い
・軽いので、他2つのトラックと比べると、弾いた時に立ち上がってきたデッキの存在感が少し薄め
【VENTURE】
・ホイールベースが長いので、弾いた時のデッキの立ち上がりの角度が上がりやすい
・デッキの角度が高くなりやすく、車高が低くないので、強い力で弾くと高さが出しやすい
・ホイールベースが長いので、弾いた時の反応が少し遅め
・THUNDERと比べると、弾いた時に立ち上がってきたデッキの存在感を感じやすい
使い比べてみて、弾きやすさを感じたのが「THUNDER」。
高さを出しやすいのが「VENTURE」。
その中間が「INDEPENDENT」かなと、個人的には感じました。
とはいえ、THUNDERでも高さは出せますし、VENTUREも弾きづらいという事ではありません。
それぞれに特徴があり、人によって合う、合わないがあります。
例えば、反応が早いのが合う人もいれば、少し遅めが合う人も。
自分に合いそうな要素を取り入れる、参考にしてください。
ベースプレートの位置の違い
THUNDER・VENTURE・INDEPENDENTのトラックをデッキに付けた時、ベースプレートの位置が違いました。
ビスを通す穴の位置は同じです。
ただ、トラックによって、ベースプレートが外側にくるか、内側にくるかの違いがありました。
実際、ノーズ側のトラックを付けた時、ベースプレートの外側に赤線を引いてみたのが、次のような感じです。
・外側の線(ノーズ寄り): VENTURE
・中央の線: INDEPENDENT
・内側の線(中心寄り): THUNDER
そして、トラックを付けた時、それぞれのベースプレートの位置が、次のような感じになります。
【VENTURE】
【INDEPENDENT】
【THUNDER】
・VENTUREとINDEPENDENTの差:0.3cm
・INDEPENDENTとTHUNDERの差:0.6cm
・VENTUREとTHUNDERの差:0.9cm
VENTUREとTHUNDERを比較すると、0.9cmの差がありました。
カーブBOXなどにノーズやテールを掛けると、THUNDERの方が少し深めに掛かるのが分かります。
スライドをする時など、しっかり掛けたいという場合でしたら、ベースプレートが内側に入っている方が掛かりやすいです。
とは言っても、ほんの少しではありますが。
また、ベースプレートの位置は違いますが、ホイールベースは変わらないので、オーリーや可動性には関係ありません。
付け外しをする時の違い
デッキにトラックを付け外しする時の比較です。
比較するのは付けやすさと、外しやすさになります。
3つのモデルを比べると、THUNDERとINDEPENDENTは、問題なく付け外しができます。
ただ、VENTUREの場合は、ハンガー形状の問題で工具が使いづらく、ナットが固定しづらいです。
実際のVENTUREトラックの画像が、次のような感じになります。
この時に使っているのは、Ninjaの「T-TOOL PERFECT X」なのですが、ハンガーが当たってしまい、しっかりとナットにハマっていません。
また、一般的なツールを使うと、ツールが太くなるので、更にハマりづらくなります。
ナットにハマっていないので、ビスを締めたり、緩めたりすると、ナットが動いてしまう事もあります。
力を入れてハメ込みながらビスを回したり、ハンガーに当たらない工具を使えば、問題ありません。
ただ、THUNDER、INDEPENDENTの場合は、このような事は起こりませんでした。
トラックを付け外しする事は多くありませんが、このような違いもあります。
VENTUREだと付かないという事はありませんが、付け外しがしづらいです。
「スケートボードトラックの違いを比較」まとめ
THUNDER、VENTURE、INDEPENDENTのスケートボードトラックの違いを比較してきました。
最後に、ここまでの比較をまとめます。
THUNDER「HOLLOW LIGHT」147HI | VENTURE「V-HOLLOW」5.2HI | INDEPENDENT「FORGED HOLLOW」139STANDARD | |
ホイールベース | 約43.8cm | 約44cm | 約43.5cm |
トラック2つの重量 | 598g | 658g | 688g |
トラックの高さ(デッキ上からシャフト) | 約6.4cm | 約6.6cm | 約7.2cm |
テールを踏んだ時の高さ | 約45.4cm | 約46cm | 約45.6cm |
ベースプレート位置 | 内側寄り | 外側寄り | 中心 |
付け外し | 問題なし | 工具により難あり | 問題なし |
そして、3つを使い比べてみて、個人的に感じた違いが、次のような感じです。
・弾きやすくて軽く、ターン性と安定性の両立が「THUNDER」
・オーリーの高さが出しやすく、安定性の良さがあるのが「VENTURE」
・弾きやすさと高さの出しやすさが両立し、ターン性が良いのが「INDEPENDENT」
※あくまでも個人的な感覚です
どれが良い悪いという事はなく、それぞれに特徴があって、自分に欲しい要素を取り入れることで、扱いやすさが上がります。
ぜひ参考にして自分に合うトラックを選んで頂き、スケートボードLIFEを楽しんでください。
最後に
最後までお読み頂きありがとうございます。トラックの比較をしてきましたが、人によって体型などの違いや、好みによる違いもあるので、どれが合うのかは人それぞれです。
また、デッキの形状や、ブッシュの硬さによって調整することもできます。
使ってみないと分かりづらい所ではありますが、この比較がトラック選びの参考になったら嬉しいです。